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■オートボクシング機能とは?
オートボクシング機能は、プリミティブ型と対応するラッパークラスの参照(例えば int と Integer)を自動的に相互変換する機能です。 J2SE1.4までは、プリミティブ型とラッパークラス参照を相互変換するためには、明示的にデータ型を変換する必要がありました。 コレクションにはオブジェクトしか登録できないため、プリミティブ型データをコレクションに登録したり、コレクションから取得する際など、毎回データ変換が必要でした。 J2SE5.0では、そのようなデータ型の変換が暗黙的(自動的)に行われるようになりました。
■ボクシング
ボクシングは、プリミティブ型からクラス参照への変換です。 プリミティブ型とラッパークラスについては、暗黙的な型変換の詳細をご覧ください。 ボクシング機能により、以下のようなプログラムを記述することができます。
サンプルソースコード Byte b = 100; Integer i = 777; Character chr = 'c';
基本型を型変換する際の規則については、これまで通りで変更ありません。 プリミティブ型で実現されていた整数リテラル代入時の数値のワイドニング変換(short→intなどの領域を拡大する変換)は同時に行うことができますが、ナローイング変換(int→short, int→byteなどの領域を縮小する変換)はコンパイルエラーとなります。
■アンボクシング
アンボクシングは、ラッパークラスからプリミティブ型への変換です。 暗黙の型変換についてもボクシングの場合と同じことが言えますが、暗黙の型変換はプリミティブ型のみで起こるという点にご注意ください。 アンボクシング機能により、以下のようなプログラムを記述することができます。
サンプルソースコード byte b = new Byte(100); int i = new Integer(777); char chr = new Character('c');
JDK5.0(Tiger)以降は、オートボクシング機能により、暗黙的に型変換されるので、一部においてラッパークラスを記述したり、intValue()などのメソッドを記述する必要がなくなりました。 オートボクシング機能とジェネリクスを活用することで、プリミティブ型値を扱うコレクションを操作するプログラムを大幅に簡略化することが可能になります。 ジェネリクスについては、ArrayListの使い方とHashMapの使い方をご覧ください。
次ページでは、int型とdouble型(基本型どうし)のキャストについて説明します。» 次ページ「int型とdouble型のキャスト」
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