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HashMapを使用するときは、まず「java.util.HashMap」をインポートします。 JDK5.0以降は、ジェネリクスが導入されていますので、「new HashMap<String, String>」のように、インスタンス化する時点で「マップのキーの型」と「格納するデータの型」の両方を指定する必要があります。 書式は、「HashMap<キーの型, 値の型>」となります。 逆にJDK5.0以降は、値を取り出すときにキャストする必要がありません。
JDK5.0から、新機能としてジェネリクスが導入されました。 ジェネリクスとは、「総称性(Genericity)」「ジェネリック・プログラミング」とも呼ばれるプログラミング技法で、オブジェクト指向とは異なるパラダイムからきたものです。 データの型に束縛されず、型そのものをパラメータ化して扱うことができます。 主にコレクションクラスに導入されています。
Javaのコレクションのほとんどは、格納できるデータの型を限定しません。 JDK5.0より前は、型を限定できないためにget()メソッドで値を取り出す際に、キャストするのが普通でした。
HashMapクラスは、Hashtableクラスと同じとみなしてもかまいませんが、HashMapの方は同期がとられず、値がnullの場合もあります。 HashMapはマップの順序を保証していないので、キーを指定して値を格納したり、値を取り出したりします。 同期をとる必要のないプログラムの場合は、Hashtableクラスを利用するよりHashMapクラスを利用した方が、リソースが節約できます。
サンプルソースコード import java.util.HashMap; class sample { public static void main(String args[]) { if ( args.length == 0 ) { System.out.println( "パラメータが未指定です。" ); return; } //キーを文字列型、値を文字列型に指定 HashMap<String, String> map1 = new HashMap<String, String>(); map1.put( "キー", args[0] ); String text1 = map1.get( "キー" ); System.out.println( "最初に指定した値:"+ text1 ); //キーを数値型、値を文字列型に指定 HashMap<Integer, String> map2 = new HashMap<Integer, String>(); for ( int i = 0; i < args.length; i++ ) { map2.put( i, args[i] ); } System.out.println( map2.keySet() );// 全てのキーを出力 System.out.println( map2.values() );// 全ての値を出力 for ( int i = 0; i < map2.size(); i++ ) { //キャスト不要 String text2 = map2.get(i); System.out.println( text2 ); } } }
サンプルソースをみるとmap1をインスタンス化する際、<>の中にString, Stringを指定してインスタンス化しています。 このようにしてStringをキーとして、Stringのみを格納できるHashMapを作成しています。
また、map2をインスタンス化する際、<>の中にInteger, Stringを指定してインスタンス化しています。 このようにしてIntegerをキーとして、Stringのみを格納できるHashMapを作成しています。
指定した型以外をキーにしたり、指定した型以外の値を格納しようとすると、コンパイルエラーになり「予期しない型」と表示されます。 Stringのみを格納できるHashMapを作成した場合は、put()メソッドでHashMapに追加できるオブジェクトはStringのみになり、get()メソッドで返されるオブジェクトもStringのみとなります。
上記を踏まえて、JavaのAPI「java.util.HashMap」を確認してみてください。 きっと、HashMapクラスの使い方を理解できるでしょう。
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